(元)吹奏楽部顧問の徒然草(仮)

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国語の授業で人狼(ワードウルフ)をした話

後期の期末テストも終わり、授業時数にも少し余裕が出てきたので国語の授業の時間に人狼の派生ゲームであるワードウルフを行いました。

  • ワードウルフとは
  • なぜ国語の授業で?
  • 活動の実態

ワードウルフとは

ワードウルフとは人狼のような正体隠匿系のゲームです。
プレイヤーにあるお題が配られ、それについてプレイヤーが話をするのですが、1人だけ違うお題が渡されています。その人がワードウルフです。
ワードウルフになった人は自分がワードウルフであることを他のプレイヤーに悟られないようにしながら会話をしなければなりません。


しかし、これがこのゲームの面白いところなのですが、配られるカードにはお題が書いてあるだけなので、なんと
ワードウルフも自身がワードウルフであることはわからないのです。
話を進めて行く中で自分が多数派なのか少数派なのかを見極めなければなりません。

なぜ国語の授業で?

ではなぜ国語の授業でワードウルフを行うかというと、理由は二つあります。
一つはこれが自分の言葉を使って自分の伝えたいことを伝えたり、相手の伝えたいことを理解したりするゲームだからです。
自分がワードウルフであるかもしれないと思いながら話し合うことで相手の発言に注意したり、意図を理解しようとしたりします。そして、自分がワードウルフではないことを伝えるために様々な言葉を用いてお題に関することを話さなければなりません。(沈黙すると疑われてしまう)まさに国語科の目標でもある「伝え合う力」を鍛えるトレーニングになります。


二つ目は物事を多面的に見るトレーニングになるからです。お題について3分ほど話すとなると、一面的な内容では話が続きません。違った視点からお題に関する話題を広げる必要があります。また、その過程で他の友人の意見を「なるほど」と聞くこともできます。

活動の実態

実際にルールを説明し、中学生にやらせてみたところ、最初のゲームはいくつか失敗が見られました。
いきなりお題の名前を呟いてしまう生徒や、「はさみ」のお題をもらったワードウルフが「切るものだよね」とハサミのジェスチャーをして一発でバレてしまう生徒がおり、ゲームの体をなしていなかったですが、失敗から学んだようで、繰り返し行うことでこのゲームの醍醐味に気づく事ができたようです。普段の授業には全くやる気を示さなかった生徒もこの時ばかりは楽しく活動していました。
また、楽しんでいるだけではなくやりとりでもお互い注意深く話を聞いている様子が見られ、自分がワードウルフだとわかった瞬間に嘘をついてバレないようにする生徒もいました。


国語の授業というと文章読解が中心になってしまいがちですが、こういった言葉を使ってコミュニケーションをするゲームも面白いし、ためになるよなぁと思いました。もう少し年間を通して満遍なくこのような試みを行えたら良かったなと反省します。