愛する人の嘘までも愛せるのか
最近はビジネス書ばかりを読んでいたのですが、久々に小説を読み終えました。
高橋一生と長澤まさみが表紙に写っている、「嘘を愛する女」という作品。同名の映画をノベライズ化したものです。prime readingで無料だったのでいつか読もうと思ってダウンロードしていて、積ん読状態になっていたのですが、消化しました。
「嘘つきは泥棒の始まり」「嘘ついたら針千本飲ます」という言葉は小さい頃から言われ、誰しもが嘘をつくことは悪いことであるという道徳的観念を植えつけられます。事実、人を騙すことは悪いことではあるのですが、一方で「嘘も方便」という言葉もあるように、時には嘘をつく事も仕方なしという場面があるのもまた事実。
果たして人は真実だけを言って生きていくことが最良の生き方なのでしょうか。またそれが出来るのかといったら難しいでしょう。本当のことを伝えることでトラブルになるということも日常生活においては多々あります。
大学時代に「友達と遊ぶ」と言ってコンクール練習を休んだらめちゃくちゃ怒られました。
世の中には「人を傷つけないための嘘」や「何かを守るための嘘」というのも存在します。けれども人間はとかく好奇心旺盛な生き物で、何かを隠されてると感じると、何とかしてでもあばいてやろうと躍起になりがちです。
自分にとって大切なもの(例えば家族や恋愛関係)を守ろうとしてついた嘘をあばいた結果、藪蛇で関係が崩れるなんてことも少なくないでしょう。
しかし、愛する人の真実を知ることでよりその人を愛することが出来るのかはそれまでの関係づくりと当人の度量によるのでしょうね。
回収しきれていない伏線もあるものの映画のノベライズということもあり、非常に読みやすかったです。また、読み終えたときの読了感も非常に爽やかなものでした。
今日はチキンのトマト煮を作ろう。