(元)吹奏楽部顧問の徒然草(仮)

音楽や教育、ゲームなどをつれづれと

アンサンブル団体と経済の話

年号が令和に変わり、GWが空けて数日経ちました。久しぶりに、ずいぶんとご無沙汰になっていたブログを書こうかと思います。

 

最近はまた色々と本を読んでいるのですが、『お金2.0』を読んで思ったことについて書きたいと思います。

 

お金2.0 新しい経済のルールと生き方 (NewsPicks Book)

お金2.0 新しい経済のルールと生き方 (NewsPicks Book)

 

 

この本、ちょっと前に有名になりましたよね。刊行から少し経ちましたが、世界の状況は変わっているので、また新しい視点で読めるかと思います。

結構色んなことを考えられたので何回かに分けて記事を書きたいと思います。

 

 

「アンサンブル団体と経済の話」と今回は題を付けました。私は大学1年のときに高校の吹奏楽部の同期を集めてOBアンサンブルの団体を作り、演奏会を開いてきました。

高校の友人達と「みんなで集まって音楽をする」ことに重きをおき、大学時代はみんなで活動してきました。

ただ、社会人になってから運営面において課題を抱えていきます。大学生のときとは変わり、団体に割ける時間や熱量などのリソースが減ってしまいました。その中で変わらず「みんなで集まって音楽をする」ためには幾つかの改革が必要でした。

『お金2.0』では「発展する『経済システム』の5つの要素」という見出しで経済(ここでは団体に当てはめます)の仕組みを解説しています。

また、そこでは「誰か特定の人が必死に動き回っていないと崩壊するような仕組みでは長くは続きません」とあります。そりゃそうだ。

また、持続的かつ自動的に発展していくシステムには5つの共通点があると述べています。

 

インセンティブ

②リアルタイム

③不確実性

ヒエラルキー

⑤コミュニケーション

 

の5つです。これらを我々の団体において定義できれば発展可能な団体に近づけられるのではないかと考えました。無い部分は見つけざるを得ない。

 

インセンティブ

団体に所属することでメリットがあるということを示さなければいけません。我々のアンサンブル団体に所属するメリットは「一緒に演奏したい人と好きな曲を演奏できる」というところかなと思ってはいます。アンサンブルということで実現しやすいのが利点だとは思ってますが、なかなか稼働してないなと感じてます。

 

②リアルタイム

6回も演奏会をするとある程度惰性に任せて、緊張感が薄れていきます。緊張や努力を必要とする場面が必要だなと感じています。

 

③不確実性

これについては音楽の演奏会という点がカバーしてるような気がします。「本番には魔物が潜む」とはよく言ったもので、実力だけでどうにもならない部分ってあります。一方で実力以上のものが出たり。そのライブ感が演奏会の醍醐味かなと思います。

 

ヒエラルキー

少しずつ役割を分担することによって個人の目標や役割が可視化されるようになってきました。今後も分担を進めていきたいところです。

 

⑤コミュニケーション

参加者同士のコミュニケーションの機会ですが、ここは一部に問題があると思ってます。元来高校の同期で結成した団体ですが、それ以外の人も増えてきました。しかし、その人たちと交流する機会がまだ足りないなぁと思います。第一党の人々が第一党であることを自覚し、色々な人を巻き込んでいければなぁと思ってます。

 

また、持続性をもたらす2つの要素についても本書では述べています。

 

①「寿命」を設定しておく

あらかじめ、終わりがあることを想定しておき、終わりが来たら別のシステムに移行できるような選択肢を用意する。

ということですが、たとえば編成を小編成吹奏楽にするとか、演奏会を開くのではなく、セッション的な集まりをするとかいうのもいつかは有りうる選択肢なのかなぁとも思っています。でも出来れば長く演奏会は続けたいですね。

 

②「共同幻想」をもつ

参加者が「共同の幻想」を抱くことによりぶつかり合ったとしても譲歩できる着地点を見つけられる可能性が高くなる。

ということで、「一緒に演奏したい人と好きな曲を演奏できる」ことの貴重さを当たり前と思わず、楽しんでいけたらいいなと思います。

 

 

今回は自身の主宰しているアンサンブル団体の話を経済に当てはめましましたが、振り返ると、①インセンティブと②リアルタイム性において弱い部分があるのかなぁと思いました。今後、この部分をどうすればクリアできるかがカギだと思ってます。